年に2回は列車に乗って遠出をしないと死んでしまう病に罹患している私は色々考えた挙句今夏は高山本線をメインに中部地方をグルっと大回りする予定を立てました。
まずは同行者。長男は不動のレギュラーとして
「電車に乗っている時間が長くて辛い」
などと最近、暗に同行を渋るような発言が目立つようになってきた気もしますがきっと気のせいなので強制参加。次男坊はなんとかトイレが自力でできるようになったのでまあ大丈夫だろうと連れて行くことにしました。どうせ運賃タダですし。そして
「鈍行だけで1000Kmとか絶対ムリ。信じられない」
などとブツクサ言われるに決まっているのでかーちゃんはいつもの如く留守番。
さて、通常であればムーンライトながらで時間と費用を節約するところですが流石に3歳児の次男坊を連れての夜行は厳しいと判断し静岡昼行横断とすることにしました。あ、もちろん青春18きっぷ利用前提です。
始発で出発して東海道線を乗り継いで高山線へ・・・、初日はなんとか高山まで到達したいところです。が、どんなに時刻表をめくっても不可能ではないがひたすら乗り継いで夜に着というルートしか見つけられず、色々と持て余している学生ならともかくいい歳したおっさんは発狂するレベル。東海道線を西へ西へ下る車中でどうせ子供たちは並走する新幹線を見てアレに乗せろと騒ぐだろうしここは端から新幹線で時間と距離を稼ぐことにしました。
もう最初から負け決定。行き交う新幹線を横目に
「アレに乗ったら負け、ガンバレ俺!」
と精神を奮い立たせていた頃が懐かしいです。おっさんは数千円払って新幹線乗っちゃいます。18きっぷの旅なのに新幹線スタートは史上初!


■■■■1日目■■■■

その1

ひかり493号@新横浜駅

横浜市内から横浜市内行き乗車券
朝5時に自宅を出発し新横浜駅へ。6時ちょうどのひかり493号広島行きというのがありなんとこの列車は新横浜駅が始発。のぞみ号ではないので途中小田原、静岡に停車しますがそれでも新神戸までは一番に到達することができ、ひかり号故自由席も5両あるという神列車。5時40分頃に新横浜に着きましたが席は選びたい放題でした。着席するなり早々朝ご飯開始。
新幹線を含む特急列車には青春18きっぷでは乗車できません。今回は新横浜から静岡まで乗車券と特急券を別途用意しました。長男坊は新幹線の分を別に払うと子供料金設定のない18きっぷの場合、割高になることが判明したので普通乗車券を購入。写真の通り横浜市内から横浜市内、経由が新横浜・静岡・東海・高山線・北陸・信越・篠ノ井線・中央東線・横浜線で有効期間7日間というぐるっと中部地方を大回りする切符です。


静岡駅
新横浜を定刻に発車。前からやってみたかったスマホのアプリで速度を計測するとあっという間にメーターを振りきって250Km/hオーバー。3人で
「おお!すげ〜!」
なんて感心してました。次の小田原でかなりの乗車があり自由席はところどころ空いている程度。喫煙室でビジネスマンに混じって紫煙くゆらせている内に新横浜から僅か41分で静岡着、下車します。それにしてもやっぱり新幹線は早いです。始発で東海道線を行ってもこの時間はまだ熱海辺りをうろついている頃です。さっきまで自宅にいたのにもう静岡?って感じです。
静岡からは18きっぷが本領発揮。6時50分発東海道線普通浜松行きに乗り換えです。朝の通勤ラッシュが始まっていて駅に停車するたびに車内は混雑してきました。今日は8月21日水曜日、普通に平日ですね。

浜名湖
通勤客と一緒に車内から吐き出され8時3分浜松着。東海道線鈍行静岡横断だと
「やっと浜松か〜」
などと愚痴の一つも溢れるものですが新幹線ワープしたお陰で楽々浜松入り。7分の接続で豊橋行きに乗り換えて30分後には愛知県とは快適すぎ。これくらいだと子供たちも飽きずに乗っていられるので引率者としても楽ちんです。
8時45分豊橋着で3分後の特別快速大垣行きに乗り換えました。転換クロスのシートに身を委ね、持参したお菓子を貪り、気が付けば3人とも爆睡してしまった模様で目が覚めるともう名古屋駅。
いやー、新横浜と静岡間をワープしただけなのにこれ程名古屋が近く感じるとは恐るべし、新幹線。ながら号で寝付けずに長時間停車する深夜の浜松駅を徘徊した挙句に寝不足のまま翌日の行程をこなすよりも余裕を持ったスケジュールを組んでの新幹線+東海道線の方がベターだなとつくづく感じました。

特別快速大垣行き@豊橋駅

車内から望む金華山

岐阜駅改札
木曽川を渡ると岐阜県に入り、右手に金華山を望むと岐阜駅に到着。今回の旅のメインイベントである高山本線のスタート駅です。二人の息子たちもここまで飽きずに付いて来てくれました。
岐阜駅改札で下車印を押してもらい再びホームにあがると特急ひだ号が入線していて長男にあれに乗るのか?と聞かれましたが残念ながらそれは見るだけ。風光明媚な高山線を特急で行くなんて勿体無くて勿体無くて・・・。おまえ、単に18きっぷで特急に乗れないだけじゃないか、などとツッコまれてしまいそうですがローカル線は鈍行に限る。それがオレのジャスティス!お、なんか自分で言うのもなんですが名言じゃないですか!大事なことなので2度いいます。
「ローカル線は鈍行に限る。それがオレのジャスティス!」
いや、ホントにローカル線はのんびりと鈍行列車でじっくり味わうほうが個人的には良いと思いますよ。やけに長い停車時間を利用してホームや駅前をうろついたりなんていうことは特急では決して真似できません。仮に18きっぷではなく普通乗車券だったとしても高山線は鈍行で行っていたでしょう、きっと、多分・・・。

L特急ワイドビューひだ5号飛騨古川行き@岐阜駅。うしろ3両は大阪からやってきた25号

717D美濃太田行き@岐阜駅
岐阜を10時16分の美濃太田行きで出発。高山線は電化されていないのでここからはディーゼルカーの出番となり、平日の10時台、2両編成ということで乗車率は相当低くボックス席に足を投げ出して至福の時を味わいます

鵜沼駅。向こうに見えているのは名鉄新鵜沼駅

木曽川
鵜沼を過ぎると右手に先ほど特別快速で渡った木曽川が見えてきて15分足らずでこの列車の終点である美濃太田駅に到着。次の乗り継ぎまで1時間46分もあるので一旦改札を出て散策しながら途中で昼食を取ることにしました。

美濃太田駅

美濃太田駅前通
事前調査によると駅から15分程度歩いたところに旧中仙道の宿場を再現した太田宿中仙道会館なるものがあるので取り敢えずそこに向かうことにして駅前通りを木曽川方面へと歩き出しました。それにしても暑い!マジで暑い!数日前の天気予報で大雨に警戒を、と聞いた覚えがあったような・・・。晴れ渡った空、燦々と照りつける太陽、午前中でこの気温はヤバイです。途中で食事ができそうな店があればと思いながら進むこと10分、何もありません。というか商店街に人気がない!長男坊が
「この街って人がいないんじゃないの?」
と言っていますがあながちハズレではなさそうな雰囲気。ようやくスーパーを発見したので弁当と飲み物を購入しどこか適当な場所で昼食にすることに決定しました。
長男は普通に一人前平らげますし次男坊もそこそこ食べるので一回の食事は限りなく3人前必要で一食500円としても1500円、お店に入れば吉野家やすき家でもない限り一人700円はかかりますので2000円オーバーの計算となり、この後食事をするたびに減っていく千円札に父ちゃんちょっとビビリました。

木曽川の堤防
弁当をゲットし涼しいスーパーから再び歩くと数分で木曽川の堤に当たりました。全国第七位の大河だけあって素晴らしい眺めです。河川敷に降りられるようになっていたのでお昼はここで河を眺めながら取ることにしました。いかにも旅って感じがしてきたぜ!

木曽川
3人でその辺に適当に腰を掛けて弁当を広げ水音に耳を傾けながら食事を楽しむ、はずがケツが熱い!ケツだけではなく全体的に熱い!暑い、じゃなくて熱い!腰をおろして数分で長男坊がギブアップ。
「お尻が熱くて座れない」
などと苦情が出る始末で皆で立って食べるというなんともマヌケな光景がそこには繰り広げられました。照りつける太陽は凄まじくただ食事をしているだけなのに吹き出る汗。もう罰ゲームと言っても過言ではないでしょう。ちょっと前に四万十市に1位の座を奪われてしまいましたが最近まで最高気温1位を保持していたした岐阜県、侮りがたし。早々に食べ終え水遊びに涼を求めました。水は非常に綺麗でひんやりとしていて気持ち良いのは確かです。水着があればとてもとても楽しい水遊びになること請け合いだとは思いますがなにせお天道さまパワーがハンパなく、このままでは熱中症で倒れてしまうのではないかと危惧するほど熱い!
「もうムリ、駅に戻ろうよ」
「わかった、父ちゃんもムリ」
3人で来た道を戻ることにしました。かくなる上はエアコンの効いた喫茶店で冷たいものでも飲みながら次の列車を待つのが上策、しかしここに至るまでそんな店はなかったはず・・・。結局さっき弁当を買ったスーパーに転がり込むように逃げ込み一息ついたところで美濃太田駅に戻りました。駅に着くと既に高山行きの列車が入線していて15分後のドア開放までホームで待機。

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