夏休みに瀬戸大橋線に乗ったがメインはUSJなわけで何か物足りないというか乗り足らないというか。かと言って手軽に出掛けられる未乗線なんてなく悶々と日々過ごしていたある日のこと。インターネットを嗜んでいたらとある格安航空会社(LCC)でバーゲンセールが行われるとの情報をゲット。大概こういうのは座席数限定の瞬殺で予約できないのが定石だが取り敢えず参戦してみることにした。
で、セール当日。時計を睨みつつPCの前に張り付き今か今かと待ちわびること暫し、開始時間と共に予約ボタンを連打しまくり。アクセス集中でなかなか画面が切り替わらずイライラすることおよそ10分、なんと予約が成立!ネットで航空券を買うのが不慣れな為復路便は正規運賃になってしまったがそれでも安い!安すぎる!本当にこんな値段で飛行機乗せてくれるの?と心配になるレベル。かーちゃんに
「九州行くから5万円ちょうだい」
など恐ろしくて言えない身分であるが故、九州など遠い異国のような存在だったが、LCCのお陰で雀の涙程の小遣いでも行けるなんてまるで夢のよう!
というわけで、ずっと電車乗ってるのが疲れるから行かないなどと戯言を抜かす長男の代わりに二つ返事で付いてくる次男坊を連れて急遽秋の九州に出掛けることになった。

■■■■10月18日■■■■
フライト編



フライト情報
上の絵を見て頂こう。東京〜佐賀が往路737円!ちょっと高めの昼食の値段だ。ちなみに復路は正規運賃となってしまったがそれでも安い5700円。往復6437円也。実際には無条件で必要となる支払い手数料や任意の座席指定料金が加算されているので少し価格は上がっているが、JALとかANA等のレガシーではありえない金額ではないだろうか?
但し安いからにはカラクリがあるワケで、まず1つ目が出発地が成田空港。横浜市内からはかなり遠い。場所に依ってはフライト時間より空港へ移動する時間の方が長くなってしまう陸の孤島成田。羽田に比べ交通費も割高。せっかく航空運賃が安いのに空港までの移動費がかさんでしまっては元も子もない。これについては安価に移動できる手段を見つけたので後述する。2つ目は大人も子供も同額な運賃。まあ、元が安いのでこれは仕方ないか。3つ目は荷物の制限。機内に持ち込める荷物には大きさ、重量のシビアな制限があり尚且つ1人1個まで。重量オーバーすると超過料金が発生してしまう。3つ目は予約した便の変更や取消に制限がある、あるいは全くできないというところ。事前に綿密なスケジュールを立てておかないと支払った料金がパーになる可能性もある。4つ目は遅延や欠航に対する保証が薄いということ。欠航しても他社に振替なんて絶対に有り得ないし、翌日の便になっても宿泊費なんて当然出してはくれない。
とまあ、色々悩ましいところもあるが上手く使えばお得に飛行機に乗ることができる点は評価されるべきであろう。ちなみに航空会社は春秋航空日本、通称スプリングジャパン。なんだそれ?と思われる方も少なくないだろう。実際、我が家のかーちゃんにも
「春秋航空?なにそれ?聞いたことが無いんだけど大丈夫?」
などと心配された。字面から中国を連想したあなた、正解!上海に拠点を置く中国初の民間資本航空会社、春秋航空が日本に参入し春秋航空日本を設立。食品偽装だとかコピー商品だとかで世間を騒がしている中国の信頼度は著しく低いが、別に農薬が混入した餃子が飛ぶわけでもロレックスの偽物が飛ぶわけでもないので良しとしよう。


平和交通が運用するTHEアクセス成田

バスはほぼ満席
10月18日(土)朝8時30分、東京駅八重洲中央口。ちょうど一週間前は台風19号の影響で陸海空あらゆる交通手段に遅延、運休が相次ぎ大変だったようだが今日は見事な秋晴れ。さすが晴れ男、と自負すると共に雨女のかーちゃんが来なかったことに感謝する(笑)
成田空港までの道程だが、今朝は7時半前の東急田園都市線急行電車で自宅最寄り駅を出発。三越前で下車しここまで歩いてきた。LCCの台頭で空港までのアクセスにも新たな動きがあり東京〜成田空港を900円又は1000円で利用できる高速バスが運行されるようになったのだ。三越前までの電車賃が500円、バスが1000円の合計1500円。仮に新横浜から成田空港までリムジンバスを利用すると3600円。一番安い鉄道経由でも1710円掛かることを考えれば相当安いのではないだろうか?しかも旅行サイトで予約できるため溜めているポイントがあればそれで支払うことも可能。実際私はほぼ全額ポイントを使ったので実質タダで乗車できた。
バスは数分遅れて到着。この日は満席だったせいで乗車に時間がかかり更に数分遅れて出発。途中、高速道路が渋滞のため10分程度遅れる旨の車内アナウンスあり。この一本後のバスでもギリギリ間に合うのだが今回は初LCCなので余裕を持って行動することにしていた。


校舎と体育館の渡り廊下を思わせる乗り場への通路

こんなところにセキュリティチェックが(笑)
バスは直ぐに首都高に入るがいきなりの渋滞。どうやら直近で事故が発生し詰まっているようだ。結局この渋滞を抜けるに20分以上かかり遅れは10分で済まなそうな様子。定時性ではやはり列車には敵わない。
朝早かったお陰でいつの間にか2人共寝落ち。目が覚めたら空港ゲート停車中で警備員が乗り込んできて乗客の身分証明書を1人ずつ確認している。念のため次男坊の健康保険証を持参していたが私の分だけチェックして息子はスルー。
定刻の25分遅れの10時ちょうどに空港第二ビル2番バス停に到着。LCCは機材繰りや空港設備の関係上時間にはうるさく、春秋航空の場合は出発の35分前までに搭乗手続きを済ませないと問答無用で置いてけぼりの憂き目に合う。もし一本遅い便のバスだったら間に合ったかアヤシイところだ。
朝マックでもしようと思っていたがバス遅延の為慌ただしくチェックイン。自動受付機に予めプリントした予約表を読み込ませると一発で搭乗券発券。この辺りはレガシーとは変わらないだろう。さて、チェックインも済ませたし一服するかと搭乗券片手にウロウロしていると係員嬢に搭乗はこちらです、と案内される。一服してから行きます、と応えると一本だけでお願いしますとのこと。まだ時間には余裕があるがチェックイン後に遅れるのが一番質が悪いのだろう。
喫煙室を出て搭乗口へ向かうとまるで学校の体育館へとつながる通路のようなところを通り、取ってつけたようなセキュリティチェックが現れる。次男坊は華麗に通過したが父ちゃんは案の定ブザーを鳴らしてしまった。係員がハンディタイプの金属探知機で調べても反応するのでベルトを外す。もう一度スキャン。しかし無常にもピピと反応が。3回くらいポケットに何か入ってないか聞かれるもレシートしか出てこない。何回やっても反応する機械。壊れてんじゃないのこれ?最終的に係員が手で触って検査。意外と細かくチェックするようでチ◯コまで触られ(もちろんズボンの上から)ようやく解放。係員が若い女性だったので恥ずかしいやらなにやら。これってなんかのプレー?


リムジンバスで空港内を移動

ほとんどの場合飛行機に乗る際はボーディングブリッジを通るわけだが、そこはLCC。プレハブ小屋の待合室前からギュウギュウ詰めのバスで飛行機まで移動。このバスに乗り損ねると自動的に置いて行かれる仕組みだ。初めて沖止めの飛行機に乗るが普段見ることのできない風景があって結構楽しい(笑)どこまで行くの?と思うくらい延々と走りようやく飛行機の前に到着した。


春秋航空日本のB738
バスを下車すると目前に飛行機。去年受領したばかりの新造機でまだピカピカだ。少なくともポンコツで空中分解することはなさそうなので一安心(笑)
しかしタラップを上って搭乗とはある意味新鮮だ。スタッフ嬢の笑顔も気持ち良い。


機内の様子
事前情報では低知名度のため空気輸送に余念がないと聞いていたのだがかなりの盛況振り、ほぼ満席ではなかろうか?どれだけ正規運賃の客がいるかはわからぬが・・・。
機内はもの凄く綺麗で本当に中国系の航空会社?と疑いたくなる。客室乗務員も機長も日本人で中国っぽさが全く感じられない。乗客もほとんど日本人。ただLCCを実感できるのが座席の狭さ。女性や子供は耐えられると思うが成人男性にはかなり狭い!所詮737円の客なので文句は言えないが、狭すぎ!国内線ならなんとか我慢できるが国際線でこの狭さは正直無理。閉所恐怖症の方には1200円別払いの足元ゆったり席をお勧めする。
佐賀空港行き春秋航空日本IJ601便は定刻から5分遅れで出発。


東京・神奈川県境付近。下が多摩川、奥が三浦半島
父ちゃんの晴れ男パワーのお陰で視界は良好!多摩川と日産スタジアム(新横浜)が確認できたので自宅が見えないかと目を凝らしたが流石に識別不能。


富士山
次男坊は上から望む富士山にテンションMAX!進行方向左側の座席だったので海しか見えない覚悟だったが内陸を飛行してくれたので景色を充分堪能できた。


兵庫県上空
空から眺める紀伊半島は圧巻!もう山、山、山、全部山!ニホンオオカミが生存しているとすれば絶対ここだと思う。
紀伊半島の次は大阪湾。画面中央下側が神戸空港。そのやや右手奥にある島が関西国際空港。上からだとメチャクチャ近い!近すぎ!更に伊丹空港もあるわけで狭い範囲に空港あり過ぎ。どれか1つに絞った方が効率が良さそうな気が・・・。


淡路島
淡路島はもちろん、明石大橋もハッキリくっきり。3ケ月前に高松から神戸へのフェリーで明石大橋の下をくぐったのを覚えているか次男坊に質問したところあやふやな答えが・・・。


瀬戸大橋
淡路島の次は瀬戸大橋。まさか渡った3ヶ月後に上空から見ることになるとは思いもよらず。
さて久々の飛行機でテンション上がってしまい風景写真を連発してしまったが、今回初めて春秋航空なるものを利用したので感想などを少々。
前述したが飛行機は内外共に綺麗で中国っぽさは感じられず。機内及び地上スタッフの感じも良くテキパキと仕事をこなしていたように思う。食べ物も飲み物も全て有料なので予め(バスに乗る前の待合室にある売店)用意しておくのも良いだろう。ただそんなにボッタクリ感がないので話のネタに機内で購入するのもOK。飲食物で特筆すべきはコーヒーが非常に美味しいということ。九州のナントカ(名前失念)という有名なコーヒー屋のコーヒーだそうで一杯100円と超良心的でしかもおかわり自由!ぜひ乗る機会があれば試して欲しい逸品だ。
そうそう、最後に行きも帰りも機内が蒸し暑かったのには閉口したことを付け加えておこう(私だけではなく他の乗客も暑いと言っていた)


佐賀空港にて
13時15分、成田空港より約2時間で佐賀空港到着。定刻が12時55分なので、出発の5分遅延、離陸待ち15分の合わせて20分がそのまま遅れとなった模様。
それにしても空が青い。九州も晴天なようでなにより。雨女のかーちゃんが・・・以下略。
佐賀空港は一日の運行本数が二桁にも満たないローカル空港なのでボーディングブリッジ経由で降機。
さー、いよいよ本業の乗り鉄開始だ!まずは最寄りの駅に出なくてはならないが一番近くて便利なのが佐賀駅。佐賀駅までは市営のアクセスバスが運行されていて所要時間35分、片道600円(往復券を買うと一回当たり500円)このバスで佐賀駅に出てそこから乗り鉄スタートの予定を当初は組んでいたが飛行機の少々の遅れでも希望の列車に間に合わない可能性が予想されたため却下。案の定、今回20分の遅延で確実に間に合わなかったのでこの判断は正解であった。


佐賀空港ターミナルビル

リムジンタクシー
ターミナルビルのロビーに下りてくると各社のタクシー運転手さんが行先別の案内板を掲げて立っている。空港から各地へリムジンタクシーが運行されており事前に予約をしておくと目的地まで乗せて行ってくれるという寸法だ。本日の我々の行き先は久留米駅。久留米の案内板を持った運転手さんのところに行き名前を告げリストにチェックを入れてもらう。今日、他にどれ位同乗者が居るのか聞いてみると全部で7名だとか。意外と多い。全員揃ったところで佐賀空港を後にする。
このリムジンタクシー、佐賀空港活性化の為に県から補助金が出ている関係で運賃が非常に安い。久留米駅前までおよそ30Km、1時間弱の距離でなんと大人1000円、4歳以上の子供は半額。バスで佐賀駅、そして列車に乗り継いで久留米まで行くと1250円と割高で時間も若干かかる。リムジンタクシーなどと豪華そうな名前の割に古いワンボックスカーだったりするのを差し引いても目的地が久留米周辺ならば絶対にこちらの方が使い勝手が良いだろう。


JR久留米駅
佐賀空港よりおよそ50分、JR久留米駅水天宮口に到着。降りたのは我々を含め3名で残りは西鉄久留米駅か久留米大学駅前までの乗客のようだ。支払いを済ませ荷物を担ぎ九州の鉄道、堪能するぜぃ!!



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