2008年8月10日
2008年夏 青春18きっぷの旅 第一弾
夏。高校球児は甲子園で白球を追いかけ、鉄ヲタは18きっぷで電車を追いかけます。というわけで夏の青春18きっぷ第一弾の旅に出かけてきました。


中央本線 523M 甲府行き 立川駅にて

蒸気機関車時代を偲ばせる給水塔。日野春駅

甲府8時53分発 松本行き 431M
今回の目的地は長野県の松本。小鉄がお城を見たいというので手っ取り早く近場の小田原城でも良いような気がしないでもなかったのですが、ふと閃いたことがあり鈍行乗り継ぎで一路松本を目指しました。
今日は観光がメイン、という触れ込みなので18きっぷの旅では珍しくかーちゃんも参加して一家3人での移動です。
まずは日野6時47分発の中央本線甲府行き。夏の休日の中央本線は山屋(登山客)で混んでいるのを経験済みだったので、八王子からわざわざ2駅戻って席の確保に走りました(^_^;)
電車は1つ前の立川始発なので余裕でボックス席確保だろう、といざ乗り込んでみると空いているボックス席は無し・・・。1人か2人は必ず座っています。愕然としながらもどうみても途中の上野原や四方津辺りで降りそうなぱんぴーの方の座っているボックスを見つけ一家3人で囲い込みます(笑)
八王子でまとまった乗客がありほぼ満席状態で甲府へ。それにしても中央線はいいですね〜。車窓も素晴らしいしなにより115系というのが泣かせます。東海道線だとE231系や211系で延々とロングシートに座らされるハメになりますからね〜。
天気は晴れ。115系の心地よいモーター音を聞きながらのんびりと流れ行く車窓を楽しみます。あ〜至福の時だぁ、と思ってふとかーちゃんを見るとこともあろうか読書などしているではありませんか、しかも窓側の席なのに!どうやらこんな鉄道の旅には興味が全くこれっぽっちもないようです。至福を感じていたのは私と小鉄だけみたいです。そりゃー私だって読書をしますよ、電車の中で。でもそれは車窓に飽きたとか気分を変えたいとか正当な理由があってのことです。乗り込んでいきなり読書をするなんて鉄ヲタの風上にもおけません!あ、別にかーちゃんは鉄ヲタじゃなかった。
朝が早かったのと途中で時間がなかったため、朝からなにも食べてなくお腹ペコペコです。幸い途中で特急列車の通過待ちがあるのでその隙に食料確保に向けてキオスクへ行きました。かーちゃんからの指令はおにぎり。しかし残念ながら菓子パンのみしか見当たりません。適当に見繕って車内に帰還しましたが小鉄以外には不評でした・・・。
8時46分、甲府着。結局乗車率は相変わらずで次の接続列車の席が気になるところです。そうそう、途中で絶対降りそうな若いおにーさんは甲府までぶりてつ一家に囲まれたままでした。
さて、私一人だったらこの混雑でもどこかに潜り込めますが今回は3人セット。なので一足先に降りて次の松本行きの席を取りに行き、無事ボックス席を確保することができました。


岡谷10時35分発 天竜峡行き 1430M
立ち客も出る盛況振りで8時53分甲府出発。ぶりてつ一家のボックスに座った女性は甲府でピアノの先生をしている方で富士見にお花を見に行かれるとのことでした。色々と山梨の観光スポットを教えて頂きパンフレットも頂戴しました。小海線接続駅の小淵沢で少々の下車があり2つ先の富士見で大量にお客さんが降りていき車内はだいぶゆったりとしてきました。残念ながらガスがかかっていて八ヶ岳をハッキリと望むことはできませんでしたがそれでも回りの山々の連なる様子は見ていて飽きないスケールの車窓です。
茅野で少々停車時間があったのでかーちゃんの指令を実行すべくおにぎりを求め下車します。キオスクが改札の外にあったので18きっぷに下車印を押してもらって外へ。今回は調子に乗って常備券、いわゆる赤い青春18きっぷを入手したので普段は押さない下車印集めをすることに。なんだか昔、ワイド周遊券で下車印押しまくりした頃を思い出して熱くなってきました!5回分使い終わったらどれくらい集まるのか楽しみです。
10時30分岡谷着。乗ってきた電車は松本行きなのでこのまま乗り続けていくと10時58分に松本へ着くことができますがあえて下車します。
5分の接続で飯田線直通天竜峡行きに乗り換えです。車内はサラッと席が埋まるくらいの混雑です。


辰野11時00分発 塩尻行き 159M ミニエコー

塩尻11時22分着。中央西線313系と並ぶミニエコー
10時46分辰野に到着。下車印を押してもらって本日のメインイベント大八廻りです!
1983年7月に塩尻峠を貫く塩嶺トンネルが開通するまで中央線は岡谷〜辰野〜塩尻のルートでした。この区間は大きくU字型に迂回しているため27.7kmあり、塩嶺トンネル経由の11.7kmに比べ倍以上の距離があります。一説には明治時代、長野県飯田市出身の代議士、伊藤大八が塩尻峠経由ではなく辰野経由で鉄道誘致をしたためにこのような遠回りした形状になったといわれており、地元では彼の功績を称え「大八廻り」と呼ぶことがあるそうです。しかし当時の土木技術では塩尻峠にトンネルを掘削することは不可能に近く、また勾配や線形の問題でやむを得ず遠回りの辰野経由になったという方が正しいという話もあり、こちらの方が真実味があるように思えます。
そんな大八廻りを攻略すべく辰野までやってきたわけですが、辰野〜岡谷は以前に飯田線絡みで乗車したことがあるのでこれから乗る辰野〜塩尻が初乗車。久しぶりのJR未乗区間で父ちゃん、なんだかワクワク。
塩尻行きは123系のミニエコー。この区間はたった1両のミニエコーがひたすら行ったり来たりする、ある意味放置された路線です。ミニエコーを見たかーちゃんが「カワイイ」などと言っておりましたがこの時点では大八廻りに付き合わされているとは露知らず・・・。
ミニエコーは見た目とは裏腹に100km/h近い速度で爆走。放置プレー路線なのでロングレールなど使われているはずもなく、「ガタンゴトン、ガタンゴトン」と真っ当な走行音を奏でています。旅程を見ていたかーちゃんがぼそり一言。
「行きは帰りより1時間も余分に時間がかかるんだ」
ついにそこに気がついてしまいましたね。そりゃー遠回りしているからそれだけ時間がかかるのは当たり前の話。大八廻りの旨を話すと、ああ、そういうことね、と呆れ顔。


松本駅
22分で未乗区間も終わり塩尻11時22分着。接続する篠ノ井線長野行きは5分ほど遅れてやってきました。車内は地元客・登山客・観光客・鉄ヲタでギュウギュウでしたが松本まであと20分足らずです。
11時50分、目的地の松本到着。今朝は6時の横浜線からスタートだったのでここまで5時間50分の長旅でした。あ〜疲れた(^_^;)
さて、駅前の観光案内でパンフをもらって束の間の観光開始といきますか〜(笑)


信州蕎麦を頂きました!(スイマセン、ちょっと食べちゃいました)

松本城

旧開智学校
まずは腹ごしらえということで信州蕎麦を食べに行きました。とーちゃんとかーちゃんは鴨肉の入った暖かい汁につける蕎麦(名前失念)、小鉄はざる蕎麦を。創業百何年かの老舗だけあって大変美味しく頂きました。
食事の後は松本城の見学しか予定がないので商店街をブラブラ。気温は30度以上あるのですが湿気が少なく歩いていてもそれ程苦になりません。街はキレイだし人もゴミゴミしていないし何よりものんびりした雰囲気にとうちゃんもかあちゃんも松本が一発で気に入ってしまいました(冬は厳しそうですが)
食欲も満たされ一旦駅前に戻り松本城へと向かうバスを待ちます。タウンスニーカーといって市内の観光スポットを循環するコミュニティーバスのようなものがあり一見便利そうなのですが運転本数は1時間にわずか2本。料金も数ヶ月前に100円から倍近い190円に値上げされてしまいました。1日フリーパス(500円)があるので料金はともかくとして使いづらい運転本数が非常に残念です。そのタウンスニーカーに揺られること約10分で松本城。
さー、小鉄にとってはいよいよ初めて生で見るお城とご対面です!敷地内に入り木の陰から姿を現した松本城。水を湛えた堀の向こうに見える天守閣は美しいの一言!こんなものが見られるなんて日本人に生まれてきて良かった〜と思う瞬間です。少し歩いて天守閣の真正面にやってきました。近くでみると圧巻です。小鉄はそのスケールの大きさに
「うわ〜、大きいね!」
と感動していました。ちなみに松本城は現存する天守閣12城の一つで国宝にも指定されている貴重なお城。鈍行を乗り継いで、ついでに大八廻りも経由しわざわざ6時間近くかけてきた甲斐がありました。かーちゃんも小鉄も喜んでくれたようで私も一安心。せっかくなので一番上まで行ってみようと中に入りました。夏休みなので城内はだいぶ混んでいて狭い上に急な階段のお陰で順路は大渋滞。最上階まで20分以上かかりましたが小鉄は途中途中にある鉄砲狭間(鉄砲を撃つために設けられた小窓)に顔を突っ込んだりして飽きずに登ることができました。いや〜それにしてもお城はいいものですね〜。現存12天守巡りしたくなってきました(笑)
さて、松本城見学も終わり本日の観光日程も消化したので(って1ケ所のみなんですが)あとはまたひたすら鈍行で帰宅するだけなのですが、時間が少し余ったので近くにある旧開智学校へと足を伸ばしてみることにします。徒歩でおよそ10分程度なのでブラブラと3人で歩いて行きます。
旧開智学校は明治9年に竣工した日本最古の擬似洋風学校。重要文化財に指定されています。明治初期の学校とは思えないほどシャレた建物で、こんな素敵な学校だったら絶対休まずに通う、とはかーちゃんの弁。さすが教育県長野!


夏休みの旅行客で混雑する松本駅
タウンスニーカーに乗って松本駅へ。短かった松本滞在、もう帰路につかなくてはなりません。あずさ号を使えばもうちょっと観光を堪能できますが18きっぷの旅では往復の時間もバカになりません。
駅の売店で小鉄のお菓子、とうちゃん・かーちゃんのビールとつまみを買って普通小淵沢行きに乗り込みました。隣のホームのあずさ号は指定席は満席売り切れ、自由席にもかなりの列が出来ています。
松本15時54分発小淵沢行き。長野からの直通電車なので席はさらっと埋まっていました。高校生のいるボックスへお邪魔していよいよ後半戦の始まりです。
岡谷までの間に地元のお客さんの大半は下車してしまい残されたのは観光客。一緒だった高校生が降りたのでさっそくかーちゃんとビールで乾杯!いや〜、電車の中で飲むビールは旨い!!こんな芸当ができるのも115系のお陰。ボックス席で飲めば旅の一コマ、ロングシートで飲んでいようものならアル中に見えてしまうのは不思議です。


小淵沢駅にて
小淵沢17時5分着。甲府行きに乗り換えます。小海線との接続駅でもある関係か、結構なお客さんを乗せて17時14分発車。甲府まではおよそ40分の道のりです。
少なくとも大月駅まではボックス席が保障されているので18きっぱーにはありがたいですね!(座れるかどうかはわかりませんが)


高尾駅でE233系に乗り継ぎました。
甲府で18時8分発、高尾行きに乗り換えましたが生憎空いているボックスはありません。途中で絶対降りそうな気がするお姉さんを一家で取り囲みます(^_^;)
それにしても小淵沢から乗り継ぐお客さんの多いこと。皆さん、あずさに乗らないのでしょうか?ってか、我々一家も延々と松本から乗り継いでいるわけで人のことは言えません。18きっぷシーズンだからこんなものなのかなぁ〜。でも18きっぷを利用している中高年の方が多く見受けられるのはちょっと不可解です。なんだか個人的には団塊の世代と呼ばれる方々はある程度お金に余裕があって、企業もそういう人々をターゲットに色々な商品・企画を販売しているイメージがあります。JR東日本にしても大人の休日倶楽部やフルムーンパスなど、お金を持っていそうなところからいかに絞り取るか日々余念がありません。我々のような小さな子供がいる若い夫婦の家庭なんてレジャーに大した額も出せないので相手にもされません。
でも18きっぷを利用する団塊の世代も多数。格差社会の歪みなのかはたまたただ単に鈍行の旅が好きなのか・・・。
JRさん、大人の休日倶楽部の若い人向けバージョン出してくださいな。そうしたらもっと鉄道利用しますよ!
というわけで往復鈍行の松本観光は終了です。あ、ぶりてつ一家に取り囲まれたお姉さんは結局高尾まで一緒でした(笑)


モドル
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